AMH -自分の卵巣を知る-

AMHを知ってください。

簡単な採血検査で卵巣の状態を知ることができます。
良くない値が出たらとうしよう…自分の体が数値で評価されることを怖くないヒトはいません。
高岡本院ではAMH採血検査だけでも歓迎しています。
セカンドオピニオンと同時にAMH検査を受ける方もおられます。
20歳・25歳・30歳など節目の年齢でブライダルチェックを兼ねてAMH検査される方もおられます。

AMHとは?

①自分の卵巣の状態を知る武器。

低AMH=不妊ではありません。
AMHは治療作戦を立てる材料の一つに過ぎません。
AMHはバラツキが大きく中央値を各年齢の参考値にしますが、正しい解釈が必要です。
当院では結果の解釈をしっかり説明します。

②AMHは卵巣予備能を反映します。

AMHは卵巣の予備力(functional ovarian reserve)、卵子の在庫数を推測する目安の一つです。
実際には、AFC(胞状卵胞数)やFSH基礎値と組み合わせて卵巣予備能を推測します。

卵子のモトは原始卵胞と呼ばれます。
原始卵胞はお母さんのお腹の中にいる段階で数が決まり、出生後は減る一方です。
出生後は何をしていても、初経の前も、ピルを内服していても、毎月数100-1,000個の原始卵胞が減り続けています。

ヒトの体は一人分の赤ちゃんを育てるのに丁度よくできており、基本的には月に1個の卵子が排卵される仕組みになっています。
毎月1個と聞くと選ばれし1個のように思うかもしれませんが、人間の体はそこまで厳密にはできておらず(物忘れもしますし病気にもなります)、上位グループは選ぶ能力がありそうですが、あとは半分運で1個の卵子が発育してくるようです。

卵子のリクルートをうまくできないことが不妊の原因になっている症例もあると感じています。
一部低刺激系クリニックは「自然に選ばれた卵子がよい」と強調していますが、リクルートをミスしているケースを想定していないようです。

排卵誘発薬は栄養剤のようなもので、毎月数100-1,000個も減ってしまう卵子のトップグループが育つのを助けてくれますが、AMHが低いと排卵誘発薬を使用しても発育できる卵胞数が少ない傾向があります。

③卵子の質は反映しないことが多い。

卵子の質は主として年齢に依存します。

AMHは自然妊娠できるか否かの目安にはならなさそうですが、体外受精で妊娠が期待できるか否かの目安にはなりそうという意見が多いです。
AMHが低いと一回の採卵で得られる卵子数が少ないため体外受精を行っても苦戦する、AMHが良好だと一回の採卵でたくさんの卵子が得られるためアタリの卵子を獲得できる確率が高い点で有利、という説が主流かと思います。

AMHの値とダウン症など先天性疾患の発症を関連付ける報告はありませんので、AMHが低いからといって何もかもを心配する必要はありません。

④治療方針決定の参考になる。

AMHは排卵誘発薬に反応して卵胞が複数個発育するかどうかの判断材料になります。

例えば、30代でAMHが低い場合は加齢に伴い採卵数が減る前に、一度体外受精を行ってみることも作戦です。
反対にAMHが良好な場合は、1年後でも十分な卵子を獲得でき、加齢による質の低下を数でカバーできる可能性があるため、もう少し人工授精を行う時間的余裕がありそうといった判断材料になります。

AMHはさらに、多囊胞卵巣症候群(PCOS)の診断補助やOHSSの発症予測にも役立ちます。

⑤原始卵胞数は増えない。

AMHは原始卵胞の発育途中である前胞状~小胞状卵胞の顆粒膜から分泌されます。

前述の通り原始卵胞数は生まれた時点で決まっており、減る一方です。
ある時期に発育を開始する原始卵胞がどのようにして選ばれてくるのかはわかっていません。
限られた原始卵胞を少しずつ発育させる巧みな機構も卵巣機能の一つです。

AMHは周期のどの時期に測定しても値に大きな変動はありませんが、小数点の範囲で多少の変動はあります。
AMHは直接原始卵胞をみているのではなく、発育途中の小卵胞数から原始卵胞数を推測しているに過ぎません。数か月後の再検査で値がわずかに上昇したからといって、原始卵胞数が増えたわけではありません。

⑥AMHが低くてもすぐ閉経するわけではない。

AMHと閉経はある程度関連があると言われていますが、20代でAMHが1以下だといっても、数年で閉経してしまうことは少ないです。

一般的には50歳で閉経します。AMHが低いとそれよりは何年か早そうだくらいは言えると思いますが、大慌てする必要はありません。
喫煙をやめる・夜更かしをやめるなど生活習慣を見直すことで、原始卵胞の減少スピードをゆっくりにできる可能性はあります。

また、AMHは19番染色体上の遺伝子にコードされているのですが、ビタミンDはその遺伝子発現に関与しており、ビタミンDを摂取するのもよさそうです。AMHが異常高値を示すPCOSの方にもオススメです。

⑦卵巣の手術を受ける場合は事前の採卵を検討。

子宮内膜症性囊胞(チョコレート囊胞)などで手術を受けると、多くの原始卵胞が手術時に失われる可能性があります。
手術で自然妊娠率の上昇は期待できますが、全体的な体外受精の成績は変わらないとされています(有効なケースもあり見極めが大事です)。

AMHが低く、妊娠方法にこだわりがない場合は、術前に貯卵することも検討してください。

⑧月経不順は卵巣予備能低下のサイン。

卵巣予備能が低下すると、まず月経周期が短くなることが多いです。

30歳であっても、1,000人に1人閉経してしまう方がいます。

月経不順を自覚する場合は、一度AMHを測定し、自身の卵巣の状態を知ることをお勧めします。
※25歳未満だとわずかに低く値が出ます。

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